「街と一緒にあなたが育っていくため、あるいは成長していくため」に必要な概念は「マーケティング」です。コンビニのPOSシステムのように「売れないものを切り捨てていく」というのがブーランジェリーやパティスリーにおけるマーケティングの真意ではありません。「売れていく全体をコーディネートしていく」というのが正しいマーケティングです。そのことは定量的に計ることはとても難しいのですが、ここで本当のマーケティングの意味を理解して「売れる=喜ばれる=街と一緒に成長していくシステム」について考えてみましょう。 21世紀のマーケティングの基本はWEB利用(インターネット利用)がメインです。幸いなことにあなたはNETでこのサイトをご覧になっています。多くのパン職人はインターネットの使い方、その必要性さえわかっていません。はっきり言って超時代遅れの遺物です。いやパン業界全体を含めてもそうです。しかし、ここを読んでいるあなたはそこを抜け出して、必ず一歩先を行くことが出来るでしょう。


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●マーケティングとはなんでしょう Marketingというコトバの単純な邦訳は「製造から販売までの課程」という意味になります。もちろん商学の世界ではそんな単純な意味ではなく、売り上げを伸ばすための戦略的な意志を持ったコトバとして使われていますので、「製造過程から販売までの販売戦略をどう作り上げていくか」という意味が加わってきます。ちなみに「広辞苑」では「商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動」という風に解説されています。

よく聞く使われ方としては「きちんとしたマーケティングの上に商品計画をし、販売を延ばしていこう」というような使われ方です。この言葉もそうですが、Web-masterはこの「マーケティング」という世界にある独特の「生活者を標的扱いする風潮」があまり好きではありません。理論通りの結果を生む部分もあるのですが、まず最初に気に入らないのは私は「生活者」という表現を使いますが、この世界の方々は「消費者」という表現になります。たとえば他にも「ターゲット」といってみたり人々を「標的」扱いするのが好きなようです。確かに「狙い打ち」的な理論がうち立てられたらその道の人間としては優秀ということにはなるかも知れません。

もちろんそんな風潮の影には「策にはまるステレオタイプな生活者がいる」ということの裏返しでもあるのですから、生活者もきちんとした心構えでいたいものです。なんて書きましたが、いま書こうとしているのは「マーケティングサイド」の話ですから、生活者への提言ですと逆の立場になります。わざわざそんな書き方をしたのは、21世紀に入りかなり急激に「供給側」と「購入側」という2局構造という単純構造ではなくなって来たのではないかという考え方を実は筆者はしているからです。

話は実はかなり高度に複雑です。出来るだけ単純なモデルで解説してみましょう。たとえば「コンビニ」にPOSシステムというのが入っています。最近はかなり「ゆらぎ」の概念も導入できるシステムもあったとしても大ざっぱには「売れているものを序列化し下位のものを切り離し、新商品を導入しその中で、さらに売れ筋商品を増やすことによって売り上げを伸ばすシステム」というのがスタートでした。たとえばそんなことを中堅の評価の高いパン屋さんでやってみたとしましょう。その結果は目に見えています。あっという間に「バゲットははずされ、ライ麦パンも姿を消し、ハード系やハースブレッドの類はそのパン屋には存在しなく」なります。その中堅の評価の高いパン屋の評価はどうなっていくでしょう。

「コンビニと同じ品揃えの、つまらないそこらのパン屋」になるのは目に見えています。ここが重要なポイントなのです。その「中堅の評価の高いパン屋」のその「高い評価」はどこから来ていたのでしょう。決して売れ筋の大量に売れる「カレーパン」でもなく、やはり沢山売れる「あんパン」でもなく、やはりいらいらするくらい売れる「ドーナツ」でもなく、「一日10個も売れるか売れないかの素晴らしい香りを持った山ブドウから起こした天然酵母を使ったライ50%のカンパーニュ」だったりするのです。POSデータ通りそれを「売れない商品」として切り離したとたんただのパン屋になったりするのです。だからその店にとっては「大して売れない商品」だったとしても「重要な役目」を持った「リーディング商品」だったりするのです。

つまり、その店を特徴づけるベクトルを持っているが故に、とても信頼を受けて他の商品も売れていくという性格を持っていたりする商品があったりするのです。その牽引役として「売れていく総体」を計画企画し全体のコーディネーションをすることが「マーケティング計画」の本筋なのです。だから概ね例えば「コンビニなんてどこも同じ」という感覚が多少ありますが、お弁当フリーカーのなかには「やっぱコンビニ弁当はファミマやね」とか「セブンイレブンのおにぎりが最高」などとコンビニオタクの活躍する場所は残されていますが、それは「マニア」の世界なので少し別のベクトルやバイアスがかかる世界の話でもあり、初源的な意味でのマーケティングとは少し枝葉を増やした次の世界と考えた方がいいでしょう。そのようなことを判断しつつ店の商品開発、製造計画、販売計画、サービス計画などを戦略的に組み立てていく必要があり、切り捨てていくのではなく「売れていく総体」を考えるのがマーケティングと認識すべきでしょう。

マーケティングは「分析」という立場と「創造戦略」の立場は大きく違うという部分もあります。今起こっている現象を考え定性化定量化していく世界が「マーケティング分析」で、これから造り上げていきたい方向へ創造的に惹き付けていくのが「マーケティング創造戦略」という風に位置づけておいていいでしょう。これらの事を認識しながら「リテールベーカリー」のマーケティング計画を出来る知恵と知識を付けていきましょう。

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